「虐待」をテーマにした番組の要点と考察
虐待をテーマにした「放送大学」の番組が印象的でした。
特に印象的だった部分に保育やベビーシッターの現場を踏まえ、独自に感じたことを交え記録しました。
(見た番組の放送日、講義名は記録していなかったため不明です。すみません。)
■家族関係の再構築
・課題を抱える家族の中に、他人が入るということで、家族だけでは言えないことを言える
・本当の気持ちを伝えられる
私たちは、多くが「家族」という単位の中で生きています。教科書通り、絶対的信頼を置ける関係、素直に思いを言い合え、支え合える関係であればよいのですが、いつも近くにいるから伝えきれないことって確かにあるかもしれないなぁと思いました。
□言いたいと思ってすぐに伝えたこと
□言いたいと思って、時間が経ってから伝えたこと
□すごく納得いってなかったけれど、本当は声にしたかったこと
□すごく伝えたかったけれど、言えないまま離れてしまったこと
□この先も心にしまっておきたいこと
自分自身も、言いたいを言える人、聞いてくれる人がいたら声に出してみようと思いました。そして、言う必要がないと感じ、しまっておきたいことは何食わぬ顔でしまっておこう。
保育の現場やベビーシッターでご家庭に行ったときに「旦那がさぁ、、」とか「子どもが食事が進まないのだけどどうしたら良いですか」「子ども2人見るのは大変(いらいら)」とお話されるのをちょこちょこ聞きます。家族や親、友だちには言いにくいことを、いつでも吐き出してもらいたいです。有能なカウンセラーさんのようにどんな人とでもうまくコミュニケーションが取れ、どんな状況でもうまくこなし、全然ストレスのたまらない人がいたらすばらしいしそんな力持てるのなら持ちたいですが、日々のちょっとしたストレスやぶちまけたい感情をすっきりして日常生活に戻ってもらえたら、役に立てているのかなと思います。
■一環かつ継続した特定の養育者の確保
・生活基盤の共有と情緒的な関わり
・一番近くにどんなモデルがいるかでその子がどう生きようとするか決まるところが大きい
・例えば施設にいるときには施設の先生になりたい、里親のところにきたときには学校の先生になりたいという子どもが多い
「お父さんが経営者だったから自分も当たり前に経営者になると思っていた」
「親が芸能関係の仕事をしていて、自分も芸能の仕事についた」
「親が医者で自分も医学部に進んだ」
「親が施設運営をしていたから福祉の教授の道を志した」
ああ確かにそうだなと思いました。いろいろな選択肢がある中で、近くの人に、影響受けていますよね。葛藤を抱えたりしつつも。
だからこそ
「自分はその子にとってどんな親でありたいかな」とか
「自分はその人にとって(保育士として)どんな担当でありたいかな」って
いつも無意識に考えています。
私が預ける側、いっしょにいる人だったら、
「ベラボーに明るい人」より「ニュートラルで落ち着いている人」がいいなと思うし
「専門知識ゼロの人」「ちょっとかじった人」より「しっかりとした知識がある人」「経験がある人」がいいなって思います。
だから私は今日も保育のこと、子どものこと、発達のこと、栄養のこと、勉強していきます。
■安心感・安全感
・安心・安全を感じた上で特定の養育者の愛情を感じると、その子どもの中に愛情が満ちていく
・愛情が満ちて幸せだと感じていけばその愛情は下へ流れていく(下とは、下の兄弟やお友だちなどのこと)
・そうすることで、下の子まで豊かな気持ちで過ごすことができる。それを愛情の循環と呼ぶ。
この内容は、里親をされている奥様が話していた言葉ですが、「愛情が満ちて幸せだと感じれば、愛情は下へ流れていく」という言葉は、とても力強く温かいと感じました。
理不尽が当たり前にあるこの世の中で、「お友だちにやさしくしてもらったからやさしくしよう」ってとてもとてもあたたかな関りだと思うのです。
強く生きている人にも、毎日闘っている人にも、あたたかな時間が流れてほしいと思うのです。
■家族の中で生きられることは幸せ?
さまざまな状況がありますが、あなたは家族の中で生きられることは幸せと感じますか。または感じてきましたか。
一般的にはきっと、家族がいて、家族の中で生きられることは幸せなのだと思います。
でも、家族の中で生きることが幸せじゃなくても、決して自分を否定しないでくださいね。
あなたにとって‘その家族’が最愛でなかっただけかもしれません。目に見えない不思議な巡り合わせなどあるなと思います。直接会っていなくても、誰かの発信している考えや言葉に、今まで引っかかっていた感覚から解放されることがあるかもしれません。
■虐待って誰が悪い?
虐待の事件が発覚したとき、まず一番に責任を追及されるのは、虐待をしてしまった親です。
世間から、なぜ愛すべき子どもにそんなことをしたのかと責められがち。
でも番組では親が悪いとは言い切れず、そのような環境で育ってしまった経済的な状況や環境が原因であることが多いと述べていました。
■虐待の連鎖を断ち切りたい
「虐待の連鎖」という言葉を聞いたことがありますか。
虐待をされた子は、自分が親になったときに虐待をしてしまうという内容です。「されていやだったからやらない」と誓っていても、環境からそう行動することを学んでしまっているため、不本意でありながらも、されてきた行動をとってしまうのです。
その連鎖を断ち切るには、ご本人の自分の生い立ちを整理して客観的に見ること、またその中で感じたことを整理することが必要です。一旦整理できたからおしまい、でなく何度も繰り返し、整理することが必要です。場合によっては一生、その作業が必要になることも。
そしてそれをできたら、それはご自身にとってとても大きな財産だと思います。
そのためには、周りのサポートが必要なのです。
なかなか公的機関で介入できない現状を変えていかなくてはなりません。
もし吐き出したい、どうしたらいいかわからないという人がいたら、我々にご相談ください。
(我々は公共機関ではないため利用は有料です。心がつぶれそうになる前につながって、胸の内を吐き出してみませんか。)
■幸せを十分に感じるとそれは受け継がれる
安心感・安全感の項目で触れましたが、
・安心・安全を感じた上で特定の養育者の愛情を感じると、その子どもの中に愛情が満ちていく
愛情が満ちて幸せだと感じていけばその愛情は下へ流れていく(下とは、下の兄弟やお友だちなどのこと)
それぞれご実感されることがあるかと思います。
私は比較的、解決したい課題を多く抱えた家庭で育ちました。母親との関係、両親の関係、障がいをもった家族のことなどです。
大学を卒業し、自活を始めて物理的にその家族と離れ、自分自身で就職先や生活、あそぶ場所を選んでいくようになりました。それでも心が安心して生活していけるようになるまで随分かかったような気がします。
家族で得られなかった絶対的な安心感を知り、守られる幸せを知ってから、私ができることを全力でする、周りの力になりたいと思うようになったかもしれません。
みんな、やさしくされた経験をもとに、誰かにやさしくして、それは、水たまりにしずくが落ちたときのように大きく拡がっていくといいなと思います。
そうして築かれた気持ちや愛情は、肩の力が抜けた、丸く柔らかい気持ちになるのです。
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